眠れる才能 発掘講座

「和をもって貴しとなす」

かの聖徳太子さまのお言葉として有名ですね。
「みんな仲良く」と誤解されている面がありますが、
真意は「調和」大切さ。
日本人には昔から脈々と、「和」を保つために努力することが素晴らしい、
という価値観があります。
これはある意味、日本らしい素晴らしい感覚であることは事実です。

しかし、一方で、「和を乱してはいけない」としつけられてきた結果、
多くの人が、集団の中では、自分を出さずに、
殻をかぶり、ヨロイを身にまとい、波風を立てないように気を配って、
立ち振る舞う術を身に着けてしまう。
それも、ある意味、処世術としては、必要なことだったんですね。


大所帯の組織を効率よく運営するには、素直に言うことをきく人のほうが
都合がいいですから。あなたが悪いわけじゃない。

集団の中で、周囲の期待に応えることに一生懸命になり、
自分の色をおさえて、他人と同じ金太郎飴のように
同化しようとしてしまうのです。

そうしているうちに、どこまでがヨロイで、どこまでが本当の自分なのか、
その堺目すらわからなくなってしまう。
我慢して、踏ん張ろう踏ん張ろうとがんばってしまう。
そんな風に我慢強くがんばることは「美徳だ」と思い込んでいるわけですね。

そして、あるとき、ふと気づくのです。

「あれ？この我慢、何のためだっけ？」

とね。冷静に考えると、こんな風に自分をいじめて、
我慢し続けることって、だれも頼んでないし、
だれのためにもなっていないんじゃないか
という事実に愕然とするのです。
脱力ですよね。